我が家の目の前にある離山(はなれやま)に登山した。軽井沢に移住して10年余りになるが、毎年正月に登山するのを恒例としている。正月にお餅を食べたりお酒を飲んだりで体重が増えるが、少しでも減らそうとのささやかな抵抗である。午前11時前、次女の運転で東口登山口に到着。登山の同行を帰省中の長女が名乗り出ている。
登山者名簿に記帳し、軽い準備運動の後で登山開始だ。快晴の空から陽射しが強いが、気温はマイナス1度5分。歩き始めはハイスピードだが、15分も歩くと吐く息が白く背中がじわーと汗で暑くなってくる。
七つ目位の曲がり角で一息をつく。「この先がなだらかになっていて、左手の林の中にカモシカが住んでいるから気をつけて観察して・・」と指示。歩き始めて数分後に、「お父さんいたよ!」の娘の声。一人で歩いては気が付かなかったような、木立の間に横たわっているカモシカを発見。これまでも2度ほど彼らと遭遇しているが、なかなか出会う機会は少ない。今年は幸運な出だしであるが、良い事尽くしで終わって欲しいものだ。
整備されたなだらかな遊歩道から、急峻な山道に入る所で小休止。どんぐりが道端にたくさん散らばっている。今年は豊作であったと聞いていたが、これほどの数がまだ食べられないで残っているのを喜ぶべきか。殻が割れて根を出す準備をしているドングリもあるが、チョッと気が早いのでは?
さていよいよ最後の一汗をかく山道だ。歩道周辺はリョウブがたくさん生えているが、学生時代の林学の講義では、乾燥地形の代表的な植生として教えられた植物だ。なるほど、歩道は火山礫の様な小粒の石で保水力は小さいだろう。
山頂までの最後の階段が見えてきた。雪が残っており気をつけないと滑ってしまうぞ。ここまで約1時間、途中ハップニングもあったが久し振りの登山の娘が何とかここまで来た事を褒めてあげよう。(少し大げさかな・・)
12時丁度に山頂到着。噴煙が棚引く浅間山が輝いている。町に目を移し自宅を探し当て、スマフォで連絡する。山頂から家に電話が出来る便利な時代だ。古くは狼煙(のろし)、そして手旗信号の時代から無線通信、そして携帯電話へと長足の進歩だ。これから先は衛星を使っての位置情報を交えたIT技術の時代だが、さてどんな新しい通信手段が待っているのだろう。
今は枯葉と雪のツートーンカラーの大地だが、5月ともなれば新緑と桜草やルリソウのカラフルな展開が見られるこの離山。
一年の事始めに今年も登ったが、こうして歩けるのも何時までなのかと思うと、しっかりと体調管理をして来年もまた歩ける事を願い下山した。
フクロウのコレクションが趣味。画像は「なんでだろうな?」の標題で長野市の女流切り絵作家の作。好奇心の塊が若さの秘訣か。
Leave a Reply