益子の秋

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栃木県の南東部、茨城県に接して益子町が有ります。隣町の茨城県笠間市と同じく焼物の町として有名ですが、江戸末期に笠間から移った大塚啓三郎により窯が興され、茶色や黒の釉薬を使った鉢や水瓶の生産が基本でした。近代化の流れの中で需要が減り危機的状況になりましたが、大正末期に窯を作った濱田庄司が「用の美」を見直そうとする民芸運動を柳宗悦らと始めて、花器や茶器等の美を求める作品の生産やバーナード・リーチらの外国人の作家も加わって益子焼の評価を高めて現在に至っています。

今から50年ほど前の学生時代、自転車で宇都宮から益子まで2時間程かけて友人達と見物に行ったのがきっかけで、焼物にドップリはまってしまいました。社会人になってからは、全国を出張する際にもチョッと時間を割いて窯元に足を運ぶのを常とするようになり、東京・霞ヶ関から九州・佐賀県への都落ちの異動内示をもらった際は心の中で「万歳!!」と叫んだものです。有田、伊万里の磁器の生産地に加えて、武雄(たけお)、唐津の陶器の生産地が身近にあるのです。当時、薪材の赤松が松枯れ病で供給危機にあり(枯れた松材は沢山有るのですが、油脂分が抜けてしまい火力が出ないのです)、代わりの薪材としてヒノキの間伐材が使えないかを県の林業支援で試験的に進め、NHKの朝の全国放送で紹介されたことも有ります。

焼物の産地の秋は、来週11月の3日前後の「益子大陶器市」がピークです。皆さんもお出かけになってみませんか。きっと貴方の気に入った素敵な作品に出会えると思いますよ。

益子焼を販売している店が、大通りに面して沢山あります 2017.10.15

庭先の作品には、山野草(ダイモンジソウ等)が植えられて嬉しい雰囲気です 2017.10.15

ヨウシュヤマゴボウを投げ入れるダイナミックな生花に、ゾクッとする感性を動かされました この壷の色が伝統的な益子焼です 2017.10.15

 

焼物店なのか山野草店なのか?? でもこの雰囲気は皆さんにピッタリでしょう!

イワシャジン(キキョウ科) いつ見ても可愛い花です オダマキの葉も見えますね

ホトトギス(ユリ科)

ホトトギスの多くの園芸品種が並んでいます  店の中には素敵な焼物が一杯です  磁器も見えます

ダイモンジソウ(ユキノシタ科) 多くの品種がありますね

好きですねー、ここのご主人 何を植えつけているのでしょうね?? 几帳面な性格が出てますね

窯で燃やす薪を乾燥しています 松材がベストですがなかなか手に入らなくなっています ヒノキは「火の木」と言うだけに火力はありますが、高価なので敬遠されていました ヒノキ灰は若草色の釉薬になります

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