瀬波海岸にて

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父の13回忌を秋田で終えてから、幼い頃に過ごした新潟県新発田市に近い瀬波温泉(村上市)に宿泊しました。小学生の頃に両親と来たらしいのですが、記憶に無いのはどうしたものでしょう。日本海に沈む夕日が素晴らしいので超有名な温泉になっていますが、当日は生憎の曇り空。文句を言わずにオーシャンヴューのロケーションと、豪華な夕食に満足しなければ亡き父に叱られそうです。

この季節の海岸の植物は、目の前に迫っている厳しい冬の日本海に備えているのでしょう。寒風と共に荒れ狂う日本海の波しぶき、そして刺すような冷たさの吹雪が吹き付ける季節がすぐそこまで来ているのです。多くの植物は赤茶けた枯れた姿なのですが、竹で編まれた防風・防砂垣の陰にはマルバシャリンバイ、ハマギク、リュウキンカ、シロバナハマナスが肩を寄せ合うように見られました。「お母さん、ブルーべりがたくさん生ってるよ。採って良い?」との女の子の声が聞こえましたが、きっとシャリンバイの実を見つけたのでしょう。

また広々とした海岸の砂地に、ほんの少しだけ遠慮がちに小さな所帯で白?クリーム系にオレンジ色の不思議な形の花をつけている植物を見つけました。どちらかというと逞しい海岸の植物には似つかわしくなく、高山植物のコマクサの様なデリカシーを感ずる花で、初めてお目にかかる植物でした。その名をウンランと言い、海蘭と書くのだそうです。可愛い花ですが複雑な形をしており表現不能ですので先ずは写真をご覧下さい。

最後に、ここ村上市は三面川(みおもてがわ)に鮭が遡上するので有名な場所です。お正月料理等に使われる高級品ですが、塩引きした後で鮭一本を燻製にした鮭トバが旅館の前にぶら下がっていました。ちなみにお値段は、1本15,000円程度とのこと。如何ですか、1本有ったら随分と楽しめますよ!

夕日が見えない日本海 2017.10.9 瀬波海岸

マルバシャリンバイ(バラ科)の花 2017.10.10 新潟県村上市瀬波海岸 シャリンバイよりも葉が丸味を帯びている 山形県以西に分布する

マルバシャリンバイの実 ブルーべりーにそっくり

ハマギク(キク科) 2017.10.10 新潟県村上市瀬波海岸 観賞用の栽培も盛ん

シロバナハマナス(バラ科) 2017.10.10 新潟県村上市瀬波海岸 球果は花の色に関係なくオレンジ

ウンラン(ゴマノハグサ科) 海蘭と書き、海岸で咲く蘭の花の意味 2017.10.10 新潟県村上市瀬波海岸

ウンランの花の拡大 不思議な形をしていますがとても綺麗な色合いです

鮭トバ(鮭の燻製) 2017.10.10 村上市瀬波温泉

小さな値札には13,000~15,000円の数字

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