ダリアが静かなブームになっているそうです。先日、秋田市の郊外にある秋田国際ダリア園に出かけて来ました。学名がDaliaでキク科の植物だという事を皆さんご承知でしたか。秋には、菊の香かおる・・・と書き始める時候の挨拶ですが、香は別としても花びらが細かく分かれるところからして納得!ですね。メキシコが原産地で日本には明治期から国内で栽培されていたようです。
秋田市には国際と名前が付く大げさな施設が二つあります。一つが秋田県立国際教養大学ですが、これは名前の通り外国からの留学生も多く、教授陣も充実し授業も英語で進められる本格的な教育機関になっています。新幹線が北海道にまで延長しているこの時代、東北では、新幹線に乗って東京から一番遠い県庁所在地が秋田市となっています(青森、山形よりも時間がかかるのです)。今やいかに秋田を全国的に、いや国際的にも通用する地域としてPRして行くかが、「おらが秋田の重要課題だべなー・・」となっているのです。
ちなみに、秋田国際ダリア園のキャッチフレーズは「花は文化 心の豊かさを 秋田国際ダリア園!!」なのですが、名前負けしない事を祈りつつの訪問です。
ダリア園は今から30年前に秋田県角館出身の鷲澤幸治氏によって始められました。氏は元々は商船技術者であり、世界14カ国を回った後に、秋田に帰り船川港の水先案内人のチーフエンジニアとして働く傍ら、独学でダリア栽培を学び、40歳で退職後に地域観光を目指して開園に至ったとされています。敷地面積約1.2haに700種7000株のダリアが植えつけられており、新品種の世界的コンクールでグランプリを取る等し、今や我が国のダリア育種家のトップとして、全国のダリア栽培農家の指導にも飛び回っています。
私が訪れた10月7日には、長野県飯田市からダリアの切花栽培で活躍しているJAみなみ信州の婦人部のメンバーが、このダリア園を訪れて新品種の買付けをして帰ったそうです。
広大なダリア園は、花の色や形・背丈などによって区画されており、購入希望の品種名などを記載する申込書を提出する事で球根を購入することが出来ます。但し、球根は翌年の春の植え付け時に配送されて、購入代金はその際に納めるシステムになっています。なお、ダリア園の一角には非売品と記されたプレートが置かれている区域がありますが、品種改良の結果、今年初めて花を咲かせている区域であり、球根数が少ないのと花の同定が十分でない事のためかと勝手に想像しています。交配して出来た種子を元に、新品種の登録までに10年はかかると言いますから大変な作業です。球根の値段は、1本約600円~1000円とけっこうするのも納得できますね。
花の種類の多さに驚きながら、求める球根も定まらずに園内を散策していると、一人のお兄さんらしき人がダリアの中にもぐってガサガサやっている所に出ました。
「こんにちは! もぐって何をやっているのですか」「やー、いらっしゃい。裾の葉をとってあげて、風通しを良くしているんですよ。病気の発生を防ぐんです」
「大変な作業が要るのですね。始められて何年ぐらいになります?」「20年にもなりましたかね、好きでなきゃやってられませんねー」
「随分と大きな花を付けるのですね、どんな管理をするのですか?」「花芽が3個どんどん付きますから、真ん中を残して、両脇の2つを欠いてやるんですよ」
「こんなに大きな背丈になるのですから、鉢植えでは深い鉢が必要なんでしょう?」「いいえ、ダリアの根は横に広がりますから、深鉢ではなく広がりの大きい鉢が良いです。鶏糞等の肥料もシッカリと入れてやるのがコツです」
さて来春に届く球根をどの様に管理するのか。山野草の庭に少し違った色合いの花を入れて趣を変えてみる楽しみが出来ました。
長靴や傘を無料で貸し出し、車椅子の準備あり
フクロウのコレクションが趣味。画像は「なんでだろうな?」の標題で長野市の女流切り絵作家の作。好奇心の塊が若さの秘訣か。
素晴らしいダリア園を紹介して下さって有り難うございます。どれも綺麗ですね、行って見てみたい気持ちはありますが、秋田まではなかなか遠くって・・・・南には同じ距離行くのに北には行きませんね。今年は教えて頂いたホテルバーモラルでダリアを見たり、野村別荘地の中で個人の庭でダリアを庭全体に咲かせているお宅を見たり、ダリアにご縁がありました。
またこーちゃんさんのコメントが面白く「クスッと」笑って読ませて頂いています。
何時もコメントをくださり有難うございます。感想を頂くと正直ホッと致します。「あー、ちゃんと会員の方が読んでくれていたんだ・・」と。これからもよろしくお願いいたします。
秋田から新潟経由で軽井沢に帰ってきましたが、途中生まれ故郷の新発田市の近くの村上市の海岸にある瀬波温泉に泊まって来ました。次回は海辺の植物の今を紹介します。