私の早朝散歩ルートに前沢の原っぱが入っています。午前7時頃でしょうか、前日にメンバーが整備した原っぱに入って跡地検査の写真を撮っていると、ランドセル姿の一人の女の子が声を掛けてきました。
「おじさん何しているの? そこは入っちゃ駄目な場所なの!」
「えー本当、誰がそう言っているの?」
「どこかに書いてあったよ」
「そうかい、この原っぱはね、そこの看板に書いてあるように『われもこうの会』という人たちが手入れしているんだよ。おじさんは、その会メンバーでね、今日は写真を撮っているの。ほら原っぱの中には、細い道がたくさん入っているでしょう。その中は散歩してもいいんだよ。ただ花を採ったりしちゃ駄目だけどね。わかるかなー」
「・・・・・・」
この間のやりとりは、3分もあっただろうか。思い返す自分には、もっとずっと長い時間が流れていたように思われてしまいます。
歩き始めた女の子の胸には、近くの小学校2年生のネームプレートが下げられていました。決まり悪そうに、今にも泣き出しそうな表情で歩き始めたのが気になって、「行ってらっしゃい、気をつけてね・・」と声を掛けたのですが、無言で去っていく彼女の気持ちを思うと、もう少し上手い話し方があったのかなと複雑な思いが残っているのです。
小学生であれだけシッカリと大人に向って注意する度胸は大したものと思います。きっと躾の厳しい親御さんが、あまりにも綺麗に整備している原っぱを見て「入っちゃだめだよ!」と話してくれてでもいるのでしょうか。今日、学校から帰ったら、どう親御さんに話すのでしょう。どうか、変なおじさんに怒られたとは思わないでいて欲しいのです。
「自分が正しいと思っていた事でも、実は違うこともあるんだ」という現実を、綺麗な草花を見るたびに、ほろ苦い思い出として呼び戻して欲しのですが。
貴方なら、どう子供さんに話したでしょうか。是非とも教えて下さい。
フクロウのコレクションが趣味。画像は「なんでだろうな?」の標題で長野市の女流切り絵作家の作。好奇心の塊が若さの秘訣か。
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