戸隠は修験道の地。前コラムに続いての修験道とはこれ如何に。いえいえ、戸隠と言えば蕎麦で超有名な場所。今回は蕎麦の食べ歩きの話にしたいのですが如何ですか。
新蕎麦が出始める頃、県内各地では蕎麦祭りが開かれます。地元長野では蕎麦の収穫が未だだと言うのに、10月には気がはやって新蕎麦の幟をたてるものですから「どこの蕎麦?」と意地悪に聞くと、「北海道十勝からです!」と正直に答えるお店が県内各地にあります。
さて蕎麦の打ち方(作り方)には、北信流と江戸流という二つの流派が長野ではある。前者は一本の伸し棒で、小さな円盤状の蕎麦団子を徐々に大きな薄い紙状の円盤にして、これをたたんで麺の形に切っていく。これに対して後者は、3本の棒(伸し棒1本、巻き棒2本)を使って小さな円盤状の蕎麦団子を、正方形の紙状に近い形に作ってから徐々にこれを薄く伸していき、上下2本の巻き棒に巻き取り、これをたたんで麺状に切っていく。(解るかな・・・??) 戸隠蕎麦は前者の北信流ですが、軽井沢や善光寺の周辺での蕎麦屋さんは後者の江戸流という打ち方が一般的です。趣味で蕎麦にはまると、奥が深くて際限が無い、と言われます。打ち方に加えて、蕎麦粉の産地や製粉の仕方、蕎麦粉とつなぎ(小麦粉や海草、ヤマゴボウ〈オオヤマボクチ〉など)の割合、つゆの作り方(醤油の産地・種類、砂糖の種類や割合、みりんの産地、ダシに使う材料〈節の種類、昆布の産地、シイタケ使用の有無など〉・・・・)等など、話は拡散する一方なのです。昔、われもこうの会で蕎麦打ち講習会をやったことがありますが、そんな機会に難しい話は譲りましょう。
皆さんは、戸隠に御ひいきにしている店はありますか。蕎麦打ちレベルは、どの店もかなり高いといわれている地域ですので、あくまでも個人的趣味として二つの店を今月12日(日)に子供達と食べ歩きしましたので紹介します。
【一軒目のお店で】
何時食べても蕎麦は美味い。しかし一気に食べて、子供たちが食べ終わるのを眺めていると「お父さんは早すぎるよ食べるの、もっとゆっくり味わって食べなきゃ!」とのご忠告。「いやー、蕎麦ってもんはさ、食べるんじゃなくて啜り込むだよ。汁味は勿論だけど喉を通っていく感触と、鼻に来る香を楽しむのさ!」とか言い合うのも愉快だ。「ここの蕎麦も美味いが、お父さんのもいけるだろう?」と話に水を向けると、「お爺ちゃんの蕎麦が一番だよ!」との孫娘からの予期せぬ(した?)返事で嬉しさ百倍となる。
【二軒目のお店で】
ツクバイに浮かぶ黄色の菊が嬉しい
このデリカシーさが蕎麦屋さんに求められるのだ
蕎麦をハシゴで食べ歩いたら運動が肝要です。鏡池に行って少しウォーキングしてエネルギーを消費しましょうか。
それでも不十分なら、近くの森林植物園まで行って遊歩道を思いっきり歩きましょう。
今日はこれくらいにして、帰り道で見た黒姫山の雪景色で終わりにしましょう。
腹いっぱいに食べたはずのお蕎麦は、消化が早くて・・・。もう一軒行っておけば良かったと悔しがる子供たちでした。
フクロウのコレクションが趣味。画像は「なんでだろうな?」の標題で長野市の女流切り絵作家の作。好奇心の塊が若さの秘訣か。
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