今年もコムクドリが巣立ちました。7月15日午前7時10分に一羽、翌日の午前7時半頃に2羽目でした。一羽目が巣立つ前日から、雛が巣箱の穴から身を乗り出す動きを始めており、巣立ちの予感を強くしカメラを構えてその一瞬を狙っていましたが、巣立ちは一瞬の出来事でシャッターは切れませんでした。
一羽目が飛び出した後から、二羽目の飛び出しを今か今かとヤキモキしながらカメラを構えていましたが、夕方まで飛び出すことはありませんでした。親鳥は前日までは餌を頻繁に運んでいたのですが、この日は全く運ばずに、時々巣箱の上に飛び乗っては巣穴に向って覗き込む仕草や囀りをするだけです。雛鳥の巣立ちを促すためには餌を与えずにジッと様子を見ているのでしょう。
翌日の朝早く巣箱近くで観察してましたが、弱々しい雛の鳴き声が時々聞こえるだけで、今日も駄目かなと朝食を取っている時でした。「おとうさん!雛鳥がベランダにいる・・」との家内の甲高い声です。机の上に置いていたカメラを慌てて構えて焦点を合わせ様としますが、雛はひょこひょこ歩いて視野から消えました。扉を開けて外に出ると、ベランダの下の方から雛の鳴き声が、また親鳥のギッギッとの鳴き声が少し離れた木の上から雛の鳴き声に呼応しながら聞こえてきます。
ベランダ下には植木鉢などが詰っていますが、これを取り除くと雛がプランターの間で震えているようでした。そっと手で包むと温かい感触が伝わってきて、「少しだけ静かにしていてよ。写真だけ撮らせてね・・」と語りかける気持ちで手を胸に引き寄せようとした瞬間、「いやだよ!ばいばい・・」と手のひらから勢い良く飛び出して近くの生垣に入っていってしまいました。親鳥が近くで激しく泣き叫んでいます。
今年はここまででしたが、来年こそは巣立ちの瞬間を画像に納めたいものです。巣箱掃除をしっかりやって、来年を待ちます。
フクロウのコレクションが趣味。画像は「なんでだろうな?」の標題で長野市の女流切り絵作家の作。好奇心の塊が若さの秘訣か。
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